ネオジム磁石は主成分に鉄を含んでいるので、錆びやすい性質をもっています。 そこで、表面処理を標準処理として施します。
弊社の場合はニッケルめっきとエポキシ塗装を行っています。
ニッケルめっき
ニッケルめっきには2種類に分けれ「工業用」と「装飾用」です。 ここでは工業用ニッケルめっきについて解説します。
ニッケルは耐食性に優れている事から、 錆びに弱い素材の耐食性を向上させ腐食対策の目的で処理が施されます。 その他の特性として温度変化にも優れ熱に強く、高い硬度も持ち合わせています。
この特性からネオジム磁石の表面処理としては非常に相性の良い表面処理となります。 ニッケルめっきの処理方法は2種類。
「電解ニッケルめっき」と「無電解ニッケルめっき」です。
電解ニッケルめっき
電解ニッケルめっきとは水溶液内で電気を利用し メッキ金属を製品の表面に付着させる処理方法です。
水溶液中のプラス側にニッケル、マイナス側にネオジム磁石をセットし 電気を流す事で、ニッケルが*酸化反応により水溶液内に溶け出します。 ネオジム磁石側では*還元反応によりニッケルが*析出して 皮膜へと変化していくのです。
一度で大量に処理が行えるので、安価になります。
*酸化反応:酸素とくっ付く反応 *還元反応:酸素と離れる反応 *析出:固体以外のものが、固体になる現象
無電解ニッケルめっき
無電解ニッケルめっきは水溶液までは電解ニッケルめっきと同じですが、 電気を利用せず化学反応を利用しめっき金属を製品表面に付着させる処理方法です。
無電解は電解に比べニッケルの膜厚精度が高く、 加えてニッケル膜が均一となるので*ドッグボーン現象が起きません。
一般的には安価な電解ニッケルめっきの方が好まれますが、 弊社では無電解ニッケルめっきも対応しております。
*ドックボーン現象:形状の角部にニッケルが集中する事で、めっきの膜厚が厚くなる現象
電解ニッケルめっきは「電気エネルギー」、
無電解ニッケルめっきは「化学反応」の違いになります。
エポキシ塗装
エポキシ塗装とは、エポキシ樹脂を使用した表面処理です。
エポキシとはプラスチックであり熱を加えて硬化させる熱硬化性樹脂です。 主に接着剤や塗料として使用される事が多く耐水性、耐腐食性に優れています。
エポキシ系の接着材を使用する時に、同じエポキシとの相性が良く 接着性が増すのでエポキシ塗装の表面処理を行うケースもあります。
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