永久磁石

磁石と鉄

鉄が磁石につく原理
物質には原子があり、鉄には磁性という性質を持っています。              鉄の原子には磁区(N極とS極を持つ小さな磁石のイメージ)があり            普段はバラバラの方向を向き互い磁性を打ち消し合っています。

ですが、磁石を近づける事でバラバラだった磁区の方向が同じ方向に揃い磁石に吸着します。鉄が一時的に磁石になっている状態です。
磁石が鉄から離れる事で、また磁区がバラバラとなり磁性を失います。

【永久磁石とは】
磁石には2種類あります。それは電磁石(ソフト磁石)と永久磁石(ハード磁石)です。
電磁石とは電流が流れている間だけ磁力を保ち、電流を切ると磁力を失う磁石です。
外部からの力を必要とする磁石の事を指し、電磁石は電流や磁極の向きなどで、       磁力を調整する事が可能です。

永久磁石は一度磁界を与える事で、磁力を保ち続ける磁石です。
永久磁石は製品形状が完成した時点では磁力をいっさい帯びていません。
磁力を帯びさせるには着磁作業(電流を与える事)を行う事で磁力のある磁石が完成します。
電磁石と違う点は一度の着磁作業で永久的に磁力を保ち続ける点です。

この永久磁石にはN極とS極があり異なる極同士では引き合い、                同じ極同士では反発し合います。

また、永久磁石は粉々に砕いたとしても、                       砕けた破片がまた新たなN極とS極を持ち磁力を帯びています。

永久磁石の種類

永久磁石にも種類があり、希土類、合金、フェライトがあります。
希土類磁石はその名の通り希土類(レアアース)を使用し強い磁力と高い保磁力が特徴です。
合金磁石は数種類の異なる金属を組み合わせた磁石で、高温環境下でも磁力が安定する点が 特徴です。

フェライト磁石は酸化鉄が主原料となり、安価で一般で一番流通している点が特徴です。
そんな永久磁石ですが、熱により磁力が弱まる現象、熱減磁があります。
この熱減磁ですが、ある一定の温度に達すると完全に磁力を無くす温度、キュリー温度というものが存在します。

ここで注意しなくてはならないのは、キュリー温度とは別に使用温度もあります。     使用温度とは磁力の減少が始まる温度の事です。                    使用温度は磁石の材質、寸法サイズ、形状によってそれぞれ異なります。

磁石を使用する際、この使用温度に注意しなくてはなりません。
熱減磁以外の減磁に関してはこちらから

ネオジム磁石

日本で研究開発された磁石で、現存する磁石の中で一番強い磁力の磁石です。          主原料は鉄と希土類(レアアース)のネオジム、ボロンで希土類磁石に分類されます。    その最大の特徴は強力な磁力と高い保磁力です。

この特徴を活かし、近年では需要も伸びフェライト磁石に変わって工業製品や電子機器には 欠かせない磁石となっています。                            また、磁気を利用した健康アクセサリー商品などでの使用方法もあります。

キュリー温度は300℃程度となっています。
より詳しいネオジム磁石の解説はこちらをご覧ください。
このネオジム磁石は弊社の主力製品です。

サマコバ磁石

サマコバ磁石もネオジム磁石と同じく希土類磁石に分類されます。
希土類(レアアース)のサマリウム、コバルトを主原料とする磁石です。

ネオジム磁石に次ぐ磁力を持ち、最大の特徴は耐熱性です。               キュリー温度は700℃程度となっており、高温環境下での使用に優れています。
また、金属磁石に属しながら錆などの耐浸食性に優れていますので、表面処理は不要です。
そんなサマコバ磁石ですが、割れやすく欠けやすいという特徴もあります。        取り扱い際は注意が必要です。

原料とするコバルトは非常に価格変動が大きく磁石の製品価格にも影響を及ぼします。
サマコバ磁石は、ネオジム磁石程ではありませんが、                  高い磁力と高温環境下で出来る特徴を活かし電子レンジなどの製品に               組み込まれ使用されます。

特徴

① 高温環境で使用可能
② 耐浸食性に優れている
③ ネオジム磁石に次ぐ磁力

アルニコ磁石

アルニコ磁石は合金磁石に分類されます。
原料はアルミニウム、ニッケル、コバルトで、キュリー温度が750℃程度です。

製造方法は鋳造で製造し、強度に優れ、熱に強い特徴があり、              サマコバ磁石同様に錆にも強く表面処理は不要です。

そんなアルニコ磁石ですが、保磁力が低く自身の磁力で減磁を起こしやすいという点があります。その為、形状の自由度は低い磁石となってしまいます。
割れにくいという特徴を活かし、衝撃が加わり計測器になどでの使用を好まれています。

特徴

① 高い機械的強度
② 最も高い温度特性

フェライト磁石

フェライト磁石はキュリー温度450℃程度で、低温でも減磁を起こすと          他の磁石に比べ珍しい特性があります。

主原料を酸化鉄とし、現在も主流で使用されているのがこのフェライト磁石です。
その特徴は、ネオジム磁石、サマコバ磁石とは違いレアアースを含まないので、比較的に安価な値段で購入が出来ます。

ゴムとフェライト磁石の粉末を混ぜる事で初心者マークなどのラバーマグネットにも使用されます。
フェライト磁石は、保磁力は高いものの、磁力が弱いといった点があげられます。
最大の特徴である安価な点を活かし、冷蔵庫に貼り付けるマグネットなど幅広い分野で使用されています。

特徴

① 安価な材料
② 高い保磁力

本日の原材料価格 【11-21

2024/11/21
[元/kg]
  • プラセオネオジ(Pr-Nd)
    510
    ジスプロシウム(Dy)
    2165
    テルビウム(Tb)
    7275
    プラセオネオジ(Pr-Nd)
  • 原材料価格について
    前日比 プラセオネオジ(Pr-Nd)-2.0% ジスプロシウム(Dy)-0.7% となっています。
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