減磁曲とは
磁石の性能を表す際に使用される減磁曲線という表があります。
今回はその減磁曲線の見方を説明します。
弊社のネオジム磁石、NF41Hの減磁曲線は下図の様になっています。
緑色線をJHカーブといいHcjの動きを表し
赤色線をBHカーブといいHcbの動きを表し
グラフを見た時に緑の線(JHカーブ)、赤の線(BHカーブ)共に複数線がありますが、 この複数の線は各温度での磁気特性の動きの違いを表しています。
この時点では何を意味するのか分からないと思いますので、具体的に解説していきます。
実際の読み取り方
減磁曲線上に黒の実線と点線を引きました。
それぞれが意味するのは、パーミアンス係数が1.0の場合、2.0の場合を表します。
*パーミアンス係数の解析はこちら
*ただし、線を引く際にパーミアンス係数の実際の値に+1をした値から線を引いてください!
パーミアンス係数1.0の場合は、1.0+1で2.0の値から(実線)
パーミアンス係数2.0の場合は、2.0+1で3.0の値から(点線)
引いた線とJHカーブ(緑線)と交差した箇所に注目してください。
紫の丸を見てみるとJHカーブが下がりだし(通称:クニック点)と交わっています。
これは
【NF41Hでパーミアンス1.0の場合、120℃では減磁しないが、140℃では減磁してしまう】
という意味を指します。
同様に点線のパーミアンス2.0の場合、140℃でも減磁は起きないと言う意味になります。
また、それぞれのグラフが表す意味が下図になり
グラフ右側の値が残留磁束密度Brを表し、下の値が保磁力Hcj,Hcbを表します。
左側が最大エネルギー積(BH)maxを表します。
常温(20℃)の所に紫色の線を引きました。
その時に
Brが1.3T程度、
Hcjが1350kA/m程度
Hcbが950kA/m程度
(BH)maxが40MGOe程度(*補足説明があります。)
と磁気特性を確認する事が出来ます。
下図が実際のNF41Hの磁気特性です。
*(BH)max読み取り方の補足:
青線と赤線が一番初めに交わり始める線から値を読み取ります。
この様にして耐熱温度、磁気特性を読み取り、減磁曲線活用していきます。
減磁曲線を活用し、ぜひネオジム磁石の選定を行ってみてください。
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