減磁

減磁

永久磁石、その名の通り半永久的に磁力を帯び続けるので、自動車部品、家電、携帯電話など重要な機器などに使用されています。
そんな磁力を帯び続ける永久磁石でも磁力が弱まる現象、「減磁」というものがあります。

減磁の原理は、同じ方向を向いていた磁石の磁束が、徐々に違う方向を向いてしまう事で発生します。ちなみに着磁作業とは、電流で磁界を発生させ別々の方向を向いていた磁束を同じ方向へ向かせ磁力を帯びさせる作業の事です。磁束の解説はこちらから
減磁の主な原因は3つ。

-原因① 外部磁界- 

一番わかりやすい外部磁界は、N極にN極を近づける行為。この行為も実は減磁を起こすのです。他にも、大きな電流や磁力が流れる機械に近づける事で、その機械から発せられる磁界でも減磁を起こします。特に保持力の低いフェライト磁石は外部磁界での減磁が顕著です。

-原因② 熱減磁-

熱減磁は完全に磁力を失うキューリー温度というものがあります。            このキューリー温度に達すると完全に磁力を失います。                 このキューリー温度はそれぞれの永久磁石によって違います。              ネオジム磁石が300℃程度、サマコバ磁石が700℃程度、フェライト磁石が450℃程度。

 キューリー温度とは別に磁力が落ちる現象の可逆減磁と不可逆減磁があります。可逆、不可逆減磁に関してはこちら(ネオジム磁石と温度)で解説しています。
熱減磁の温度は磁石の材質、寸法によって変わってくるのです。

-原因③ 自己減磁-

自己減磁とは自身が発する磁界の影響で起きてしまう減磁です。
磁束は一般的にN極からS極へと磁束が流れます。磁石の外部に流れる磁束、磁石内部に流れる磁束これらが反発する事で起こってしまうのです。

自己減磁の図

この自己減磁は製品の寸法と保持力の強さが非常に作用し、フェライトが顕著でネオジム磁石の登場までは製品の小型化が行えない要因の一つでした。ネオジム磁石と小型化(リンク)

-その他 減磁-

錆による磁石の腐食です。錆びる事で磁石内部の減磁が破壊されてしまいます。この事により、保磁力が失われ減磁を起こすのです。
特に原料が鉄であるネオジム磁石は注意が必要です。防錆の目的で表面処理を施しますが、液中内の使用は避けて下さい。
他にも衝撃による減磁です。衝撃が加わる事で磁束の向きが崩れてしまうのです。永久磁石とっても使用環境などで減磁を起こしてしまうのです。磁石を使用する際は、使用環境なども考慮し選定を行わなくてはなりません。

本日の原材料価格 【11-21

2024/11/21
[元/kg]
  • プラセオネオジ(Pr-Nd)
    510
    ジスプロシウム(Dy)
    2165
    テルビウム(Tb)
    7275
    プラセオネオジ(Pr-Nd)
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    前日比 プラセオネオジ(Pr-Nd)-2.0% ジスプロシウム(Dy)-0.7% となっています。
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